知的財産全般

    Q. 近年、知的財産について非常に注目されてきていますがなぜですか?
    A.
     資源に乏しい日本が生き残るためには、「技術創造立国」を目指す必要があるといわれています。
     そのためには、研究開発の成果物である知的財産権に対する保護も研究開発の投資費用に見合うものでなければならず、そのためには、知的財産権の「広い保護」「強い保護」が必要であると考えられるようになってきました。

     知的財産権の保護の強化は、後発者は、先発者の開発努力や知的財産権を尊重し、知的財産権を侵害した場合には、それなりの制裁を覚悟しなければならないということでもあります。特に大きな問題に発展した場合には、会社の存亡も左右しかねない時代になってきました。


    Q.  知的財産権とはどのようなものをいうのですか?
    A.
     知的財産権というのは、知的活動によって生み出された形のない財産に対する権利をいいます。土地や建物などのような形のある財産に対峙する権利です。
     特許権・実用新案権・意匠権・商標権・著作権・不正競争行為の防止がその中心となっています。
     いずれの権利も、使用や利用を独占させる権利であり、権利を侵した場合は、差止め請求や損害賠償請求をすることができる強力な権利です。


    Q.  産業財産権とは何ですか?
    A.
     特許権・実用新案権・意匠権・商標権の総称をいい、特許庁に登録されて初めて権利が発生します。


    Q.  ものづくりの過程で知的財産権はどのように関わってくるのですか?
    A.
     商品の企画の段階から製造・販売の段階にいたるまで、知的財産権は深く関わりを持っています。

    (1)商品の企画の段階
     商品開発のコンセプトを決め新商品のアイデアを企画する段階において、技術者やデザイナーから出されるいろいろな技術提案やデザイン提案に対して、関連する範囲で他人の特許・実用新案・意匠の出願・登録状況を調査します。
     また、商品のコンセプトにあわせて、そのネーミングやマークを発想し、同じものが登録されていないかどうか商標調査を行ったのちに、商標登録出願をし商標権を取得します。

    (2)商品の開発・設計の段階
     特許調をおこない、他人の特許に似たものがなく、新しい技術が使われていることを確認したら開発・設計に着手します。そして、商品の基本的な構造がまとまったら、試作を待たず基本特許の出願をします。特許は早く出願した者の勝ちですので、1日も早く出願しなければなりません。

    (3)商品の試作・改良から完成までの段階
     設計変更、改良が行われた場合には、開発・設計段階等に出願した基本特許を見直し、さらに必要な特許出願を追加します。完成された商品を他社の模倣から十分に防衛できるように特許網をつくることが必要です。
     商品のデザインも決まってきます。特許同様、意匠調査を行い、他人の登録意匠に似たものがなく、新しいデザインが使われていることを確認します。新しいデザインであれば、積極的に意匠登録出願をおこないます。

    (4)商品の製造・販売段階
     商品のパッケージを制作すれば、そのデザインは意匠権で保護される可能性があります。パッケージにキャラクターを印刷すれば著作権で保護されます。広告宣伝として使用されるカタログやホームページの構成、文章や宣伝文句、写真著作権で保護される可能性があります。
     また、商品の流通段階において、不正競争防止法によって、商品のネーミングやマーク、デザインの物まねなどを不正競争行為として禁止できます。
     

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