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    【著作権】要注意!共同著作物の権利 弁理士児島敦のメルマガ 【第34号】

     2012年7月6日 第34号(毎月第1・3水曜日配信予定)

     最近、インターネット上では、素人が既存の有名作品を用いて、
     パロディ作品を発表するのが盛況だそうです。
     このような流れを受けてようやく日本の著作権法でも、
     パロディの取扱について本格的に検討が始められました。

     実は、日本の著作権法にはパロディに関する規定がありません。
     パロディ作品は、厳密に法を適用すると著作権侵害になる可能性がありますが、
     実際には芸術的価値を認められるものもあり、
     欧米でも法整備が進められています。
     著作権法における新たな動きとして、今後注目しておく必要がありそうです。
      
     【著作権】要注意!共同著作物の権利

     誰もが知っているベストセラー作家や漫画家。
     個人のペンネームのように見えて、実は数人のチームということがあります。
     藤本弘と安孫子素雄がコンビを組んでいた藤子不二雄も、
     その有名な例のひとつと言えるでしょう。

     著作権法では、2者以上によって創作された著作物を「共同著作物」と呼びます。
     
     著作権者は「個人と個人」である場合だけでなく、
     「法人と法人」の場合もあるでしょう。
     また、フリーのクリエイターが企業の社員と一緒に創作した場合など、
     著作権者が「個人と法人」となるケースも考えられます。
     
     そのほか、シンポジウムやインタビューなど、複数の人物の発言が収録された
     著作物も「共同著作物」となり得ます。

     ただし、複数の人物が創作に関わったからといって
     「共同著作物」に該当しないものもあります。

     その分かりやすい例が、「歌」です。
     作曲家が「曲」を作り、作詞家が「詞」を書いた「歌」の場合、
     「曲」と「詞」は、それぞれ別々に使用することが可能です。
     このような著作物は「結合著作物」と呼ばれます。

     また、事典や論文の場合も、編集されてひとつにまとめられていますが、
     各項目を独立して扱うことが可能です。
     このような著作物は「編集著作物」と呼ばれます。

     「結合著作物」「編集著作物」ではなく、
     複数の著作権者が存在する「共同著作物」の場合、
     著作権は共有となり、その貢献度に応じて持分の割合が決められます。
     そして、その著作権を行使する際には、著作権者全員の合意が必要となります。

     複数の権利者がいる「共同著作物」では、
     行使の際にトラブルが起こることも珍しくありません。
     あらかじめ合意事項を定めた契約書を交わしておくなど、
     前もって適切に対処しておいたほうがよいでしょう。

      <次回は著作権をクローズアップ!>
     「ここが大事!特許における商品デザイン」をテーマにお話しします!
     


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