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    【著作権】要注意!海賊版の著作権問題 弁理士児島敦のメルマガ 【第40号】

     2012年11月16日 第40号(毎月2回配信予定)

     アマゾンの電子書籍サービスKindle(キンドル)が日本でもサービスを
     開始して、いよいよ本格的に電子書籍の時代がやってきました。
     一方、著作権法改正案では、出版社に著作隣接権を付与するかどうか
     検討が始められています。

     出版社にも権利が認められれば、現在、インターネット上で違法配信
     されている海賊版の取締りも、やりやすくなると考えられています。
     次の著作権法改正には、特に注目しておく必要があるでしょう。
      
     【著作権】要注意!海賊版の著作権問題

     著作権者に無断で作成されたビデオやCD、書籍などの海賊版。
     本物より安く、ものによっては品質も遜色ない海賊版は、
     摘発されてもイタチごっこ。一向に市場からなくなる気配はありません。

     「本物とたいして変わらないのだから、海賊版を買おう」
     そんなふうに考える消費者もいまだに少なくないでしょう。

     著作権法では……
     海賊版と知りながら海賊版を販売・貸与する行為は、
     著作権侵害となり、罰則の対象となります。

     海賊版と知りながら、海賊版を頒布する目的で所持すること、
     オークションサイトなどで販売を申し出ることも、
     同じく著作権侵害とみなされます。

     会社の業務に海賊版を使用することも著作権侵害行為となりますから、
     社内のコンプライアンスとして、十分認識しておくべきです。

     しかし……
     海賊版だと知らなかった場合はどうなるでしょうか?

     「海外から海賊版と知らずに商品を輸入してしまった……」

     この場合は、輸入行為自体が著作権侵害とみなされます。
     もちろん、関税定率法でも没収などの措置がとられます。

     「オークションサイトで正規品だと思って購入したDVDが、
     手元に届いたら海賊版だと分かった……」

     このような場合は、購入者に罰則が科せられることはありません。
     ただし、それを業務で使用したり、再びオークションに出品すれば、
     著作権侵害行為とみなされます。

     つまり……
     「海賊版と知らなかった」場合の措置はケースバイケースで異なります。
     そして、近年では現状の著作権法では解決できない問題も出てきました。

     例えば……
     2年前、アップル社が運営するApp Storeで、
     村上春樹や東野圭吾など、日本の人気作家の書籍の海賊版が
     堂々と販売されていたことが物議を醸しました。
     それらの海賊版はアップル社の事前審査を通過していたのです。

     膨大な量を配信しているApp Storeは、事前に著作権侵害かどうか、
     ひとつひとつ確認することはしないといいます。
     著作権者からの申し立てがあって初めて、
     対処するという方針をとっているのです。

     デジタル時代になって、誰でも簡単に海賊版が作れるようになりました。
     そのため、海賊版問題はこれまで以上に法整備が求められています。

     海賊版を利用して著作権を侵害しないために……
     海賊版に利用されて著作権を侵害されないために……
     日頃から著作権についての意識を高めておくことが必要です。

     そのために……
     あなたの近くの弁理士にお気軽にご質問・ご相談ください!

      <次回は特許をクローズアップ!>
     「要注意!リサイクルの特許問題」をテーマにお話しします!
     


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