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    【特許】特許製品の修理は特許権侵害になるか?~「消尽理論」~ 弁理士児島敦のメルマガ 【第52号】

     2013年10月16日 第52号(毎月2回配信予定)

     《お知らせ》
     知人の国際ビジネスのプロフェッショナル 中村仁看氏が、下記の通り、
     中国・ASEAN諸国での国際物流に関し無料セミナーを開催します。
     ふるってご参加ください!

     【第10回貿易実務セミナーのご案内】
     <午前の部>『中国・ASEAN諸国での国際物流網構築のポイント』
     講師:中村仁看
     開催日時 : 10月18日(金)午前10時~(開場:午前9時45分)
     場 所 : 山王健保会館 2階会議室 東京都港区赤坂2-5-6
     参加費:無料
     内容の詳細:http://masanaka.main.jp/link/seminar.pdf をご覧ください。

     
     NHKで11月30日から新ドラマ『太陽の罠』が放送されるという
     ニュースを見ました。太陽光発電に生き残りを賭ける
     大手家電メーカーが“特許マフィア”と戦うストーリーになるそうです。

     『半沢直樹』は銀行の内部事情をリアルに描いてヒットしましたが、
     特許をテーマにしたこのドラマもタイムリーで、
     面白いものになりそうですね。ぜひ見てみたいと思っています。

      
     【特許】特許製品の修理は特許権侵害になるか?~「消尽理論」~

     あなたの会社が缶詰を生産しているとします。
     生産ラインの機械が壊れてしまったら、当然修理しようと考えますね。

     では、この機械が他人の特許技術を使った機械だとしたら…?
     修理は特許権の侵害に当たるでしょうか?

     特許法の条文では、特許製品が譲渡されるごとに、
     あるいは使用されるごとに特許者が特許権を行使できると保証しています。

     しかし……
     製品が流通していくたびに特許権が行使されると、
     流通を疎外しかねません。
     そのため、取引の安全と流通の促進を確保するため、
     販売された特許製品はすでに特許権が使い尽くされたと考え、
     それを購入した者は製品を自由に使用できると解釈するのが、
     「消尽理論」です。

     そこで、缶詰の生産機械の修理について、もう一度考えてみましょう。
     
     機械がすでにあなたの会社が購入したものであり、
     通常生じるような軽微な修理であれば、
     消尽理論が適用され、「特許権侵害には当たらない」
     そう考えることができるでしょう。

     しかし、修理が、
     特許にかかる部分を含め大部分を交換するような場合には、
     特許製品を製造したことと変わらなくなってしまうので、
     もはや、消尽理論は適用されず、
     「特許権侵害には当たる」ことになります。


     このような「消尽理論」に関して争われた裁判でよく知られているのが、
     キヤノンの「インクカートリッジ事件」です。

     インクカートリッジとは、家庭用プリンタで一般的に使用されている
     インクが充填されたカートリッジのことです。
     キヤノンがこのカートリッジのリサイクル品を販売していた会社を
     特許権侵害で訴えたのです。
     リサイクル品は、使用済みのキヤノン製カートリッジに穴を開けて
     インクを充填、再び使用できるようにしたものでした。

     この裁判では、
     (1)特許製品が製品としての効用を終えていると解釈される場合
      または、
     (2)特許発明の本質的部分を構成する部材の全部または一部につき
      加工または交換がなされた場合
      には、消尽理論が適用されず、特許権侵害になると判断されました。

     そして、この裁判の焦点となったのは、
     このカートリッジのリサイクル品が
     「インクの充填は特許発明の本質的部分の部材の交換に当たるか」
     ということでした。
     そして、結論から言うと、
     最終的にこの事件は、キヤノンの訴えが認められる結果となりました。

     つまり、この案件は……
     上記(1)の観点から、
     インクをすべて消費した後でもカートリッジ部分はまだまだ使用できるため、
     「製品としての効用を終えていない」と解釈されたものの、
     (2)の観点では、
     インクの充填には様々な工夫が施されており、
     インクを再び充填することが「特許発明の本質的部分の部材の交換」
     に当たるという判断が下され、
     特許権を侵害しているとされたのです。

     このように、「消尽理論」に関連して争われる裁判は
     非常に難しいケースとなっています。
     
     「このケースはどうなるの?」そんなお悩みや疑問があったら、
     ぜひあなたの近くの弁理士にご相談ください!
     

      <次回は商標をクローズアップ!>
     「商標登録でブームを独占?朝バナナの場合」をテーマにお話しします!

     


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