商品やサービスに使用されるネーミングやマークであって、商品やサービスを他社のものと識別するための目印になるものをいいます。「商品やサービスの顔」といってもいいでしょう。
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商標には
(1)文字で表された「文字商標」
(2)図形で表された「図形商標」
(3)文字と図形を組み合わせた「文字と図形との結合商標」
(4)立体的な形状についての「立体商標」
があります。
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(1)文字商標
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商標登録第746293号
指定商品:自動二輪車・自動車およびこれらの部品・附属品
権利者:本田技研工業株式会社
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商標登録第3069420号
指定サービス:予備校における教授・予備校における公開学力テストの実施
権利者:学校法人高宮学園
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(2)図形商標
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商標登録第2293485号
指定商品:化学品・薬剤・医療補助品
権利者:三菱商事株式会社
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商標登録第3110555号
指定サービス:通信・通信機器の貸与・通信に関するコンサルティング
権利者:日本電信電話株式会社
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(3)文字と図形との結合商標
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商標登録第1556657号
指定商品:電動機・発電機・電気洗濯機・電気掃除機・照明用器具・電熱用品・その他
権利者:株式会社日立製作所
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商標登録第 4898170号
指定サービス:車両による輸送・航空機による輸送・寄託をうけた物品の倉庫における保管
権利者:日本通運株式会社
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(4)立体商標
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商標登録第4153602号
指定サービス:飲食物の提供
権利者:ケンタッキーフライドチキンインターナショナルホールディングスインコーポレーテッド
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商標登録第4157614号
指定サービス:菓子及びパン・コーヒー及びココア・清涼飲料・果実飲料・飲食物の提供など
権利者:株式会社不二家
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コラム |
商標の歴史
日本では、大宝律令(701年)により、刀剣の生産者の名前を刻印することが義務づけられたことによるものが始まりといわれています。そして、鎌倉・室町・江戸時代を通して、屋号、暖簾、家紋などの形で発達し、登録による保護は明治17年(1884年)から登録による保護がされるようになりました。
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日本の商標登録第1号
出願 明治17年(1884年)10月1日
登録 明治18年(1885年) 6月2日
商品 膏薬・丸薬
権利者 京都府の売薬業者 平井祐喜 |
板前が指を切ってしまったところが描かれており、平井の膏薬を塗れば傷も治るという商品の効能をうまく表現しています。
法上の商標
商標法(以下「法」といいます。)2条の定義には「商標とは、文字、図形、記号もしくは立体的な形状もしくはこれらの結合またはこれらと色彩との結合(標章)であって、業として、商品を生産し、証明し、または譲渡するものがその商品について使用するもの、あるいは業として役務を提供し、証明するものがその役務について使用をするもの」と説明されています。
この定義からは、商品の普通名称や、「おいしい」「強力」などの商品の内容を示す表示など、すべてが商標に含まれることになってしまいます。
確かに、法は、商品の普通名称や内容表示を商標として使用してはいけないということはいっていません。不当表示として景品表示法や不正競争防止法等によって使用を禁止される場合はありますが、原則として、何を商標として使用するかは企業の自由であって、商品の普通名称や内容表示を商標として使用してもなんら支障はありません。
たとえば、牛乳パックに大きく書かれた「おいしい牛乳」は、明治から販売されている「おいしい牛乳」は明治の、森永から販売されている「おいしい牛乳」は森永の、それぞれ商標であると考えられます。ただし、「おいしい牛乳」の表示のみではいずれのメーカーの「おいしい牛乳」かの区別がつきませんので、その前に、小さな文字ですが、それぞれ「明治」、「森永」の表示をし、かつ、パッケージデザインを異なるものにして識別しています。
このように、商品の普通名称や「おいしい」「強力」などの商品の内容を示す表示なども商標に含まれ、また、商標として使用してもよいわけですが、法は、商品の普通名称や内容表示などは、一私人に独占させるべきではなく、何人にも使用させるものであるので、登録しないことにしており、自他商品識別力を有する商標のみを登録し、独占権を与えることにしています。
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