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    【著作権】きちんと知っておきたい!著作権侵害 弁理士児島敦のメルマガ 【第7号】

     2011年2月16日 第7号(毎月第1・3水曜日配信予定)

     先日、気になるニュースがありました。
     海外居住者に対して日本のテレビ番組をインターネット経由で配信する
     サービスを運営していた会社が、テレビ局側から著作権法違反で
     訴えられていたのですが、最高裁で敗訴しました。

     法律の網の目をくぐりぬけて行われていたこのサービス。
     視聴者から預かった機器での送信が「公衆への送信」に当たる否かが
     争われていましたが、結果はテレビ局側の逆転勝訴。
     この結果は、同種のサービスを行う企業に大きな影響を与えるでしょう。
     
     そこで、本日は著作権侵害についてお話ししたいと思います。

     【著作権】きちんと知っておきたい!著作権侵害

     インターネット時代となった今、著作権の問題は、
     子供から大人まで、私たちひとりひとりにとって、
     より身近なものとなっています。
     
     音楽・ゲームの違法ダウンロード、
     動画・電子書籍の違法アップロード……
     インターネットにちょっとアクセスしてみただけでも、
     こうした「著作権侵害」の問題が目に付くようになっています。
     
     しかし、この著作権を侵害するという行為は、
     損害賠償請求などの民事裁判に発展したり、
     悪質と見なされると刑事罰を科せられる恐れもあります。
     
     まさに、軽く見ていると大やけどをする、
     知らなかったではすまされない違反行為なのです。
     
     そして、これは個人だけでなく会社にとっても要注意事項です。

    「でも、著作権侵害なんて……うちの業務にはあまり関係ないな」
     
     そう思ってはいませんか?
     ここで、ひとつ具体的な例を挙げてみましょう。

     A社が顧客にインターネット上でサービスを提供するため、
     B社にコンピュータによるシステム・プログラムの開発を発注しました。
     
     B社は大変有用なプログラムを納品し、
     これに満足したA社は、A社の子会社でもこのプログラムを使用して、
     顧客にサービスを提供することに決めました。
     
     ところが、B社がこのプログラムに対して著作権を主張し、
     子会社での使用に「待った」をかけてきたのです。

     ……さて、このような場合、著作権の問題はどうなるのでしょう?

     確かにプログラムの著作権は、制作したB社にあります。
     A社はプログラムの対価を払っていても、
     著作権まで買い取ることはできません。
     A社が権利を取得したいなら、
     B社と「著作権譲渡」の契約を結ぶ必要があるのです。

     つまり、こうしたことを予め考慮して、
     A社は発注時に、B社に対して、
     プログラムの「所有権」と「著作権譲渡」について
     明らかにした契約書を交わすのがベストです。

     さらに、権利が譲渡できない「著作者人格権」については、
    「著作者人格権の不行使」を明記することも必要です。

     このように、後々トラブルを引き起こさないために、
     先回りして著作権の処理をしておくことは、
     ビジネスにおいて大切なことです。

    「これを使用することは、著作権侵害になるだろうか?」
    「この創作物について、著作権はどう処理したらよいだろう?」
     
     常に「著作権」に対する問題意識を持ってビジネスを見ることが、
     これからの時代を生き抜いて成功するための「千里眼」となります。

     このメールマガジンで、ぜひ「ビジネスの千里眼」を養ってください!

     <次回は特許をクローズアップ!>
    「ライバル会社に勝つための特許戦略の秘策」をテーマにお話しします!



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