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    【特許】どうなってるの?金型の保護 弁理士児島敦のメルマガ 【第44号】

     2013年2月15日 第44号(毎月2回配信予定)

     先日、政府が日本政策投資銀行に約1,000億円を拠出し、
     官民連携の新たなファンドを設置することが報じられました。
     それによって、多くの企業で使われずに眠っている「休眠特許」の
     活用を推し進め、経済の活性化を図るとのこと。
     
     休眠特許で新たな商品を生み出すことができるのか?
     今後の課題のひとつとして注目しておくとよいかもしれません。
      
     【特許】どうなってるの?金型の保護

     工業製品を製造するための型である金型は、
     製造業において非常に重要なもの。
     一般的に、メーカーが熟練した技術者のいる小さな工場に、
     金型の製作を依頼しているケースが多いと言えます。

     近年は、これらの金型が中国に流出し、
     日本の技術が奪われていることが問題視されています。
     金型はどうやって保護するべきなのでしょうか?

     知的財産権の面から考えると……
     金型に独創性、進歩性などが認められれば、
     特許権、意匠権、実用新案権などを主張することができます。
     また、金型の設計図は著作権を主張できるでしょう。

     しかし、すべての金型が知的財産として保護される可能性があるかと
     言えば、現実には難しいと言わざるを得ません。

     実際には、金型を作った工場はメーカーに納品する際に、
     設計図も一緒に納品するよう求められるケースが多いようです。
     
     この場合、受注している工場のほうは立場が弱いため、
     しぶしぶ金型の設計図をメーカーに渡すことになります。
     そして、メーカーがこの設計図を中国の工場に持って行って、
     現地で安く製品の生産を始めても、文句が言えなくなってしまうのです。

     このような泣き寝入りを避けるためには──
     金型を知的財産として保護する方策を検討すること、
     適切な取引が行われるよう事前にメーカーと契約を結ぶことが重要です。
     
     「特許や著作権のことはよく分からない……」
     「取引先との力関係を考えると、契約なんて言い出せない……」

     そう考える経営者が多いかもしれません。
     しかし、あなたの会社の技術を守れるのは、あなたの会社だけなのです。
     
     まずはあなたの近くの弁理士に相談することから始めてみてください。

      <次回は商標をクローズアップ!>
     「知っておきたい!キャッチフレーズと商標」をテーマにお話しします!
     


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