■ファービー人形事件(仙台高裁 H14.7.9 平成12年(う)63・177事件)

    応用美術は著作物として認められるか?-(2)
    ●事件の概要
     ファービーは、電子回路やモーターなどが内蔵されていて使用を継続すると次第に単語や熟語を発するようになる電子育成玩具である。
     米国タイガーエレクトロニクス社からファービーの日本での独占販売権を取得した日本の玩具メーカーが、ファービーそっくりの人形を作って販売する業者に対して、著作権法違反で告訴した刑事事件。

    ●裁判所の判断
     ファービーのようなデザイン形態は、実用品に供されること、あるいは、産業上利用されることを目的として制作される応用美術といわれるものに属する。
     応用美術については、現行著作権法上は原則として著作権の対象とならず、意匠法等工業所有権制度による保護に委ねられている。ただし、応用美術のうちでも純粋美術と同視できる程度に美術鑑賞の対象とされると認められるものは、美術の著作物として著作権法上の保護の対象となると解釈することができる。
     本件ファービー人形については、容貌姿態のみで美術鑑賞の対象となるということは困難があるといわなければならない。
     したがって、ファービーの形態については、著作権法上の保護が与えられないので、著作権法違反に問うことができず、被告人は無罪というほかはない。

    原告ファービー人形

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